Veilleuse 音楽の常夜灯

遠い朝

優河

監督玉田伸太郎

配信が2023年8月23日、この映像が6日後の8月29日です。曲は3分3秒、映像は3分11秒。

出す前に、7月の全国ツアーと FUJI ROCK FESTIVAL '23 で先にやっています。配信を支えているのは、HIP LAND MUSIC のディストリビューション「FRIENDSHIP.」です。

最後の一行が曲名になっている

優河がこの曲に自分でライナーノーツを書いていて、それが全部を説明しています。

偶然誰かと出会えたはずの夜が、少しのずれで出会えなかったりする。その少しの'ずれ'はタイミングだったり、お天気だったり、気持ちの揺れだったり。あの時あの人に会えていたらどんな会話ができたんだろう、どんな景色が見られたんだろう。会えなかったことに対する惜しい、という小さな気持ちは、時に壮大な夢のように私たちをその夜に何度も連れ戻して、清々しい朝を遠ざけていく。

最後の「清々しい朝を遠ざけていく」が、そのまま曲名です。遠いのは距離ではなくて、来ない、という意味のほうでした。

歌詞のほうも同じことを言っています。「数えても進まないの/時に置いてかれているの」。それから「淡く溶けてくはずの夜」「忘れられてくはずの夜」「淡く明けてくはずの夜」と、同じ形が3回出てきます。三度とも「はず」で、そうならなかったことになっている。

英語の題は「Waiting」です。「遠い朝」の訳ではありません。夜の側から名前を付け直している。

夜の車と、朝の海

映像は玉田伸太郎の監督・編集。出ているのは優河ひとりです。

夜に車を運転している場面、故障した車の中で歌っている場面、そして朝の海辺で歌っている場面が、行ったり来たりしながら組まれています。夜から朝への話として作られている、という説明が付いています。

歌のほうは朝が来ないと言っているので、映像だけが先に朝まで行っています。

そのほかのクレジットはこう。助監督 Ryuichi Taniura、撮影 Shota Nakajima、1st AC Yuta Yoshida、照明 Watanabe Shintaro・Kazuki Yamakura・Megumi Fujita、スタイリスト Kaho Yamaguchi、ヘアメイク Ayako Higashikawa。

編曲が5人の連名になっている

作詞・作曲は優河ひとり。編曲だけが5人の連名で、岡田拓郎、優河、谷口雄、千葉広樹、神谷洵平。

岡田拓郎とこの3人は魔法バンドで、優河と長くやっている人たちです。編成と作り方は『Love Deluxe』の記事に書いたので、ここでは繰り返しません。

翌年、アルバムの1曲目になった

この曲は単独で出たあと、2024年9月4日の4枚目『Love Deluxe』に「遠い朝 (2024 mix)」として入りました。しかも1曲目です。

『Love Deluxe』は優河がはっきり方向を変えた一枚で、本人はそのきっかけがこの「遠い朝」だったと説明しています。きっかけになった曲を、翌年のアルバムの入口に置き直したことになります。

長さは183秒と182秒。1秒ちがいです。

聴いた時のこと

2023年の単独版と2024 mix を、続けて聴いてみました。

どこが違うのかを言葉にできませんでした。並べれば違うことは分かるのに、何が動いたのかを説明できない。耳のほうがそこまで細かくないのだと思います。分かったのは、続けて2回聴くと2回目のほうがよく聞こえるということだけで、これはたぶんどんな曲でもそうです。

そのあと1回だけにして、夜のうちに聴きました。朝が来ないと言っている曲なので、朝に持ってくると話が合わなくなる気がして。夜のうちに聴いて、そのまま寝てしまうのがいちばん収まりました。

朝の海辺の場面が映像の側にあるのは知っているので、目を閉じているぶんだけ、こちらは夜に残っていられます。

出典

出自
東京
レーベル
FRIENDSHIP.
収録
遠い朝
発表
2023年8月23日
出典
https://youtu.be/dbGUezhsa-k

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