Veilleuse 音楽の常夜灯

The Path Less Travelled

Vegyn

監督Joshua Gordon

歌が入っていません。3分44秒、ずっと器楽のまま進みます。Vegyn の2枚目のアルバムの6曲目。

フランク・オーシャンの隣にいた人

Vegyn は Joseph Winger Thornalley。1993年生まれ、ロンドンの人です。

ロンドン・コミュニケーション・カレッジでデザインを学びながら2013年から動き始め、電子音楽のレーベル PLZ Make It Ruins を自分で立ち上げました。いまも自分のアルバムはここから出しています。

外の仕事の並びが目を引きます。2016年のフランク・オーシャン『Blonde』と『Endless』の制作に関わっていて、『Endless』ではエグゼクティブ・プロデューサー。「Nights」と「Close to You」にも関与しています。ほかに JPEGMAFIA『All My Heroes Are Cornballs』、トラヴィス・スコット『Astroworld』と『Utopia』、Kali Uchis、Shygirl、A$AP Mob。

家族の欄も面白くて、父の Phil Thornalley は音楽家でソングライター、母の Julie Thornalley はグラフィックデザイナー。音とデザインの両方が家にあった人が、いま音楽とグラフィックの両方をやっている。

自分名義では『Only Diamonds Cut Diamonds』(2019)、『Like a Good Old Friend』(2021)、そしてこの『The Road to Hell Is Paved with Good Intentions』(2024)。Headache という別名義でも1枚出しています。

4曲だけ先に出た

この曲がどう世に出たか、順番が少し変わっています。

まず2024年2月、『A Dream Goes On Forever』という4曲入りが先に出ました。 中身はこの4つ。

  1. A Dream Goes On Forever (feat. John Glacier)
  2. The Path Less Travelled
  3. Halo Flip (feat. Lauren Auder)
  4. Makeshift Tourniquet

そして4月5日、13曲入りのアルバムが出る。この4曲は全部アルバムにも入っているのですが、並びが変わっています。 アルバムでは1曲目、4曲目、6曲目、7曲目。連番ではなく、あいだに別の曲が挟まる位置へ配り直されている。

先に4曲まとめて聴かせておいて、本編では間隔を空けて置く。同じ曲が、2つの違う並びの中に置かれているということです。先に聴いた人の耳には、アルバムを通したときに「知っている曲が思わぬところで来る」感じが残る。

映像の監督は Joshua Gordon。ざらついた粒子の質感で通しています。

歌が入らない曲がアルバムの真ん中にある

ゲストの多いアルバムです。John Glacier、Ethan P. Flynn、Léa Sen、Lauren Adler、Matt Maltese。声が入る曲がいくつも並んでいる中で、この6曲目には誰も呼ばれていない。

13曲の折り返しに、声のない3分44秒が置かれている。前後に人の声があるほど、ここだけ空気の密度が変わります。

題は「あまり人の通らない道」。歌のあるアルバムの中で歌のない曲に、この題が付いているのは、読みたくなるくらいには出来すぎています。ただ、本人がそう説明した記録は見つかりませんでした。

こんな時、聴きたいかも(個人的にね)

景色が流れているか、手が動いているか、どちらかは要る曲でした。家の中でじっとしていると、逆に手持ち無沙汰になる。

乗り換えが2回くらいある道のりで、何も決めないまま。言葉が入らないので、考えごとを邪魔してきません。

出典

出自
ロンドン
レーベル
PLZ Make It Ruins
収録
The Road to Hell Is Paved with Good Intentions
発表
2024年4月5日
出典
https://youtu.be/zma3DweV8nw

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