Veilleuse 音楽の常夜灯

You'll be mine

RYU TSURUOKA

3曲で、題は「DEMO 2021」。デモと書いて出しています。この一枚の面白さは、まずそこにあります。

デモと書いたまま置く

作品を出すとき、多くの人は「完成」の体裁を整えます。デモという言葉は、まだ本物ではないという意味に取られかねない。だから普通は隠すか、身内にだけ回すか、磨き上げてからシングルとして出す。

この一枚は、デモと書いたまま2021年9月30日に置かれました。

出すか出さないかを、完成度ではなく「いま聴かせたいか」で決めている作りです。ただ、デモという言葉から想像されるような粗さで止まってはいません。判断が早いだけで、手つきは雑ではない。

3曲の並び

  • FLAT EARTH MOOG3分37秒
  • You'll be mine4分34秒(歌詞あり)
  • SLOW SUN1分21秒

タグは electronic、soul、talkbox、Japan。歌詞がついているのは真ん中の1曲だけです。

並びに理屈があります。まず器械の名前を冠した曲で入って、真ん中で歌を置き、最後を1分21秒で閉じる。1分21秒は、曲として成立する最短のあたりです。長くすることもできたはずのところで伸ばしていない。

3曲の合計は10分に満たない。詰め込まず、薄めず、必要な分だけ。デモという言い方をしているのに、収録時間の設計は決まっています。

名義がいくつもある人

このページには、同じ人の別の名義も並んでいます。DJ XBAY、HAWKWIND&FIRE。ほかに MAGNETIC LUV、TERROR-P といった名前でも動いていて、IMAGECLUV という自分の場所を持っています。

かつて LUVRAW という名前を本名の鶴岡龍に戻した人が、その一方で用途に応じた名義をいくつも持ち続けている。矛盾しているようで、していません。本体の名前は一つに絞って、実験の入り口は複数開けておく。中心を固定してから外へ広げる順番です。

この一枚が本名名義で「デモ」として出ているのも、その配置の内側の話でしょう。

こんな時、聴きたいかも(個人的にね)

10分弱で終わるので、聴き終わっても一日はまだ全部残っています。何も始めなくていい休日の昼に。

気づくと2周、3周していました。そういう長さに切ってあるのだと思います。

出典

出自
横浜
レーベル
IMAGECLUV
収録
You'll be mine(DEMO 2021)
発表
2021年9月30日
出典
https://luvraw.bandcamp.com/album/youll-be-mine

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