Veilleuse 音楽の常夜灯

LET ME KNOW

TOWA TEI feat. CHARA

オリコン週間34位。初週8,150枚。数字だけ並べると、当たらなかった曲に見えます。ところが同じ時期、J-WAVE のエアプレイ・チャートでは8週間にわたってトップ30に居座っていました。

売れ方ではなく、流れ方

「LET ME KNOW」は1999年6月23日のシングル。TOWA TEI のアルバム『Last Century Modern』からの4枚目で、アルバム本体は翌月、7月28日に出ています。作詞・作曲は TOWA TEI と Chara の連名、プロデュースは TOWA TEI。曲は4分10秒。

最終的な売上は19,590枚。ミリオンが当たり前に出ていた1999年の日本で、この数字は小さい部類です。それでいて、ラジオでは2ヶ月鳴り続けた。「Hey! Hey! Hey! Music Champ」のエンディングにも使われていたので、買った人の数より、聞こえていた人の数がずっと多い曲だったことになる。

こういう残り方をする曲があります。手元に置いた人は少ないのに、その時期に街にいた人はだいたい知っている。ジャンルとしては contemporary R&B、ヌー・ジャズ、トリップ・ホップのあたりに置かれます。

4つのバージョンで出す、という判断

シングルには4つの版が入っています。

  • オリジナル(4分10秒)
  • TT Remix(5分59秒)
  • TT Bossa(3分41秒)
  • TT Instrumental(4分10秒)

リミックスが誰かに外注されていないのが目を引きます。全部 TT、つまり TOWA TEI 本人の手。ボサノヴァ版まで自分でやっている。

1曲を1回で出し切らず、同じ素材の見え方を4通り置いて聴く側に選ばせる。ハウスやテクノの側から出てきた人の考え方が、そのまま歌謡曲のシングルの形に落ちている。5分59秒の版がある一方で3分41秒の版もあるという幅が、この曲がどこに向けて作られたかを説明しています。

声を機材の一部にしない

TOWA TEI は打ち込みの人です。Chara は歌の癖が強い人です。噛み合わせを間違えると、声が音色のひとつに落ちるか、逆に歌だけが浮いて上に乗ってしまう。

この曲はどちらにも転んでいません。作詞作曲が連名になっているのが、そのまま答えなのだと思います。トラックを作ってから歌をはめたのではなく、二人分の判断が同じ場所で並んでいる。

こんな時、聴きたいかも(個人的にね)

どの版をかけるかで決まりました。夜はオリジナル、昼は TT Bossa の3分41秒。

夜の台所で、灯りは手元だけつけて。この曲は明るく鳴らすと少し痩せます。

出典

収録
Last Century Modern
発表
1999年6月23日
出典
https://youtu.be/xDWQBgzHUC4

記事一覧へ戻る