LET ME GO
THEHONESTGUY
6曲で20分のEP、その中の1曲です。R&B の歌い手が、アフロビーツの跳ね方を自分の側へ引き込んでいる。
二つの街を行き来している
THEHONESTGUY はトロントとモントリオールのあいだで動いている R&B のシンガーソングライター。ここ数年、両方の街の R&B シーンで並行して活動しています。 JUNO 賞(カナダの音楽賞)の受賞歴もある。
カナダの2都市は、言語も客層も別々です。片方に腰を据えるほうが普通で、両方に居場所を作るのは手間が増えるだけの選択に見える。それを続けている。
11月の公演も両方に組まれています。5日にモントリオールの Le Ministère、7日にトロントの The Drake Underground。 中2日。
本人の告知の言葉が短くていい。
しばらくぶり。またみんなと同じ部屋で、生バンドで、いい R&B を祝えるのが楽しみ
滑らかなソウルと、跳ねる拍のあいだ
このEPの説明として使われている言葉を並べます。絹のようなファンク、ジャジーなコード、伝統的な R&B のアレンジ。そこに、風通しのいい深夜の跳ね(late-night bounce)。
そして狙いとして書かれているのが、古典的なスムース・ソウルの盤と、現代のアフロビーツ由来のシンコペーションのあいだを橋渡しすること。
この2つは、拍の考え方がかなり違います。スムース・ソウルは拍を均して滑らかにしていく音で、アフロビーツは拍を割ってずらしていく音。均す側と、ずらす側。 それを同じ曲の中に置くと、普通はどちらかが勝つ。
EP の題に「AFROSOUL」と付いているのは、その混ぜ方そのものを名前にしている、ということだと思います。
題について、正直に
『DON'T DISTURB THE GROOVE』という題を見て、真っ先に思い出したのは The System の1987年の曲「Don't Disturb This Groove」でした。
ただ、本人がその曲を参照したという記録は見つかっていません。 こちらが勝手に連想しただけかもしれない。以前 Thundercat が好きなベースラインを挙げた記事を書いたとき、その7曲の中に The System の「You Are in My System」が入っていたので、こちらの頭に名前が残っていただけ、という可能性もあります。
そういうわけで、これは記事の側の連想です。曲の側には何も足しません。
こんな時、聴きたいかも(個人的にね)
夜、手が塞がっている時間に流したのがよかった。洗い物でも畳み物でもいい。跳ねているのに急かしてこないので、作業の速度に干渉してこない。
正面から座って聴くと、20分が思ったより早く終わりました。短いという意味ではなく、引っかかりを作らない作りなので、こちらが止まる場所を見つけられなかったという感じです。何かしながら流したほうが、この音の居場所が決まる気がします。
出典
- Exclaim! — THEHONESTGUY Announces Shows in Montreal and Toronto(トロントとモントリオールを行き来していること・両都市の R&B シーンでの活動・JUNO 賞の受賞・2026年11月5日 Le Ministère と11月7日 The Drake Underground の公演・本人の告知コメント)
- Out Da Box Media — #NewSoulEP: THEHONESTGUY - DON'T DISTURB THE GROOVE: AFROSOUL(音楽性の説明・古典的なスムース・ソウルとアフロビーツ由来のシンコペーションの橋渡しという狙い)
- Apple Music — DON'T DISTURB THE GROOVE: AFROSOUL - EP(2026年7月24日リリース・全6曲20分)
- Spotify — LET ME GO
- 出自
- トロント/モントリオール
- 収録
- DON'T DISTURB THE GROOVE: AFROSOUL
- 発表
- 2026年7月24日
- 出典
- https://youtu.be/BtZ716TeCjQ