Soundtrack To Murder
Kimonos
カバー・アルバムを作ろうとして始まった録音が、カバー1曲を録った時点で別の企画になった。その途中で出てきた8曲のうちの6曲目です。4分3秒。
出発点はイベントの出演依頼
Kimonos は向井秀徳と LEO 今井の二人組で、2010年結成。
向井秀徳は ZAZEN BOYS。LEO 今井は1981年に東京で生まれた人で、父親が日本人、母親がスウェーデン人。幼少期をロンドンで過ごし、高校生のころに一度日本に帰り、大学進学でまたロンドンへ行っています。オックスフォード大学の大学院にいるあいだに、日本で音楽をやるために来日した。2006年からインディーズで動きはじめ、2007年に Virginia Music からシングル「Blue Technique」でメジャー・デビューしています。
二人が知り合ったのも2007年で、LEO 今井が自分のイベントに向井秀徳の出演を頼んだのが最初です。
「Sports Men」を録ったら、10分で別の曲ができた
公式のプロフィールに、企画が変わった経緯がそのまま書かれています。
はじめは PINK の「Don't Stop Passengers」をカバーしよう、という話でした。それが発展してカバー・アルバムを作ることになり、MATSURI STUDIO で録音を開始します。
細野晴臣の「Sports Men」をカバーした。そこで向井のシンセのリフのアイデアがひとつ出てきて、10分ほどで新曲の骨格ができてしまう。 アルバムの2曲目「Haiya」です。
以後は新曲の制作に切り替わりました。最終的な10曲の内訳は、二人で作詞・作曲・編曲した8曲と、「Sports Men」のカバー、それに LEO 今井のインディー時代の曲「Tokyo Lights」の再録音。カバー・アルバムの計画から残ったのは2曲だけです。
「Soundtrack To Murder」は、その8曲のうちの1つで、アルバムの6曲目。ゲストにはディアフーフのグレッグ・ソーニアと、ZAZEN BOYS の吉田一郎が入っています。
歌詞が地名から始まる
歌い出しは一橋です。「一橋に寝っころがってる」。
タイトルは英語で、音はビンテージのシンセと重いリズムなのに、歌詞は日本語で、しかも地名から入る。曲名だけを先に見ると別の想像をするので、鳴りはじめで一度見当が外れます。
音のほうは、ユニバーサルの紹介文が「ビンテージ・シンセサイザー、ポスト・パンク的なリフ、ミニマルで重厚なリズム」と書いています。冷静かつ激しい、未来的でありながら郷愁を感じさせる、とも。
ジャケットは大正の日本画
アルバムのジャケットには、中村大三郎の「ピアノ」(京都市美術館蔵)が部分的に使われています。大正時代の美人画から着想した LEO 今井のアイデアだそうです。
1926年の絹本着色で、四曲一隻の屏風。164.5×302.0センチ。モデルは中村大三郎の妻です。当時流行っていた洋髪に着物で、グランドピアノに向かっている。その年の10月の第7回帝展に出て、帝国美術院賞の候補になっています。いまの所蔵先は京都市京セラ美術館。
着物とピアノが1枚に入っている絵を、Kimonos という名前の盤の表に貼っている。
LEO 今井は2014年に高橋幸宏の METAFIVE に入ります。TOWA TEI、小山田圭吾、砂原良徳、ゴンドウトモヒコと同じ編成です。TOWA TEI については「LET ME KNOW」の記事を書きました。
聴いた時のこと
ここで止めるつもりが、止まりませんでした。
6曲目なので、そのあと4曲残っています。次に何が来るのか気になって続きを開き、最後まで行きました。
それから前の5曲も聴きました。3曲目に細野晴臣のカバーがあって、新曲8曲のあいだに1曲だけ他人の曲が挟まっているのが、順番どおりに聴くとよく分かります。
4分3秒で立つつもりが、アルバム1枚ぶん座っていました。
出典
- YouTube — Kimonos「Soundtrack To Murder」(MATSURI STUDIO のチャンネル)(長さが4分3秒であること・概要欄にアルバム『KIMONOS』が2010年11月17日リリースと書かれていること・アップロード元が録音した MATSURI STUDIO であること)
- KIMONOS 公式サイト — Album [Kimonos](2007年に LEO 今井が自分のイベントに向井秀徳の出演を依頼して親交が始まったこと・PINK「Don't Stop Passengers」をカバーする話から発展してカバー・アルバムを目指し MATSURI STUDIO で録音を始めたこと・細野晴臣「Sports Men」をカバーしたあと向井のシンセリフのアイデアから10分ほどで2曲目「Haiya」の骨格ができ、そこから新曲制作にシフトしたこと・二人で作詞作曲編曲した8曲に「Sports Men」のカバーと LEO 今井インディー時代の「Tokyo Lights」の再録音を加えて10曲になったこと・中村大三郎「ピアノ」(京都市美術館蔵)を大正時代の美人画に着想した LEO 今井のアイデアでジャケットに部分使用したこと)
- KIMONOS 公式サイト — PROFILE(向井秀徳と LEO 今井の二人組であること・デビュー・アルバムにディアフーフのグレッグ・ソーニアと ZAZEN BOYS の吉田一郎がゲスト参加していること)
- UNIVERSAL MUSIC JAPAN — Kimonos BIOGRAPHY(向井秀徳(ZAZEN BOYS)と LEO 今井により2010年結成、同年アルバム『KIMONOS』発表であること・ビンテージ・シンセサイザー、ポスト・パンク的なリフ、ミニマルで重厚なリズムという音の説明・冷静かつ激しく、未来的でありながら郷愁を感じさせるという記述)
- Wikipedia — LEO今井 と UNIVERSAL MUSIC JAPAN — LEO今井 BIOGRAPHY(1981年に東京で日本人の父とスウェーデン人の母のあいだに生まれたこと・幼少期をロンドンで過ごし高校生のころ一時帰国、大学進学でロンドンに戻りオックスフォード大学大学院在籍中に来日したこと・2006年から日本で活動、2007年に Virginia Music から「Blue Technique」でメジャー・デビューしたこと・2010年に Kimonos を結成し2014年に METAFIVE に参加、METAFIVE が高橋幸宏・TOWA TEI・小山田圭吾・砂原良徳・ゴンドウトモヒコとの編成であること)
- FlashLyrics — Kimonos「Soundtrack To Murder」(歌い出しが「一橋に寝っころがってる」であること)
- Apple Music — Kimonos『Kimonos』(全10曲の曲順と、「Soundtrack to Murder」が6曲目であること)
- 京都市京セラ美術館 — 中村大三郎《ピアノ》(1926年の絹本着色で四曲一隻の屏風、164.5×302.0センチであること・モデルが画家の妻であること・当時流行の洋髪に着物でグランドピアノに向かっていること・1926年10月の第7回帝展に出て帝国美術院賞の候補になったこと・現在の所蔵が京都市京セラ美術館であること)
- 当ブログ TOWA TEI feat. CHARA「LET ME KNOW」(METAFIVE で LEO 今井と同じ編成にいる TOWA TEI について)
- 出自
- 東京
- 収録
- KIMONOS
- 発表
- 2010年11月17日
- 出典
- https://youtu.be/CiMiq45_VfA