Water Sign
John Silas
デビューEPなのに、クレジットの並びが只事ではありません。マスタリングがフランソワ・ケヴォーキアン。ライナーノーツがジェフ・マオ。リミックスにパトリス・スコット。
出てくる名前の重さ
- ミックス — Dave Darlington(Bass Hit NYC)
- マスタリング — François Kevorkian
- ラッカー盤の刻み — SST
- プレス — Pallas GmBH
- 流通 — !K7 GmBH
- ライナーノーツ — Jeff Mao
- 写真 — Nehemiah Brent
- レイアウト — Paul Raffaele
レーベルは Love Injection Records。ニューヨークのダンスミュージックの記録と現場を長く支えてきた場所です。
デビュー作にこの布陣が付くのは、周りが本気で押しているということです。ラッカーの刻みとプレス工場まで明記しているのも、盤として残す前提で作られている印。
星座のほうの「水」
題の Water Sign は、占星術の水の星座のこと。直感、繊細さ、感情の深さで特徴づけられる、という説明が添えられていて、この人の仕事にはもともとその性質が備わっている、と続きます。
このアーティストの背景として挙げられているのは、Soul Train、ヒップホップのサンプリング、デトロイトのダンスミュージックのコミュニティ、そしてレコード店勤務。そこを通って、いまブルックリンにいる。
レコード店で働いた人の作りをしていると思います。ジャンルの横のつながりが体に入っている人の並べ方です。
4曲と2つのリミックス
- Boundaries — 6分09秒
- Cyber Dreams (feat. Domenica Fossati) — 6分17秒
- Foster Child — 6分51秒
- Nasty (feat. Marquinn Mason) — 3分44秒
- Cyber Dreams (Patrice Scott Remix) — 6分00秒
- Nasty (No Sax Mix) — 3分44秒
説明が具体的で助かります。
Boundaries がこの一枚の心臓部。4つの音のピアノのフレーズから始まって、ベース、声の断片、クラップが加わり、パトリック・アダムス風のシンセ・ソロへ展開する。途中でエレクトリック・ピアノ、パーカッション、口笛に移り、「脆弱性の色合い」を出す。失恋の力学を音楽で扱った曲だとされています。
Cyber Dreams は鍵盤の波とドメニカ・フォッサティのフルート。パトリス・スコットのリミックスがモーターシティの手触りを足している。デトロイトの人にニューヨークの曲を触らせる、という配置です。
Foster Child はポール・ジョンソンから着想を得た曲。シカゴのハウスの人の名前がここで出てきます。Nasty はマルキン・メイソンのサックス入り。そして最後に、そのサックスを抜いた版を置いている。
6曲のうち2曲が別バージョンで、しかも1曲は「サックスを抜いただけ」。DJ が使う前提の作りです。踊る場所に届けるための盤として設計されている。
ニューヨーク、デトロイト、シカゴ。アメリカのハウスの三つの都市が、6曲の中にちゃんと入っています。
こんな時、聴きたいかも(個人的にね)
フロアで聴いたら、まったく別の音だろうと思います。そちらは試していないので、家の話しかできません。
家では明け方に、小さい音で。6分前後あるので、時間の感覚がゆるくなります。
出典
- Bandcamp — Water Sign / John Silas(2026年7月31日リリース・ブルックリン拠点・全6曲と収録時間・4曲のオリジナルと2つのリミックスから成るデビューEPであること・題の由来と水の星座の説明・Soul Train やヒップホップのサンプリング、デトロイトのコミュニティ、レコード店勤務という背景・各曲の成り立ちの説明・参加楽器・ミックスとマスタリング、刻盤、プレス、流通、ライナーノーツ、写真、レイアウトのクレジット・Love Injection Records・タグ)
- 出自
- ブルックリン(ニューヨーク)
- レーベル
- Love Injection Records
- 収録
- Water Sign
- 発表
- 2026年7月31日
- 出典
- https://johnsilas.bandcamp.com/album/water-sign