Veilleuse 音楽の常夜灯

ぽあだむ

銀杏BOYZ

監督木本健太、峯田和伸

YouTube の説明欄の頭に、クレジットがこう並んでいます。

ディレクター 木本健太と峯田和伸 出演 1283人 長澤まさみ

12分14秒の映像に、1283人の女性の投げキッスが入っています。公開は日本時間の2014年1月1日0時ちょうどで、12月24日に予告編が先に出ていました。

1400人分から選んだ

編集を主導したのはドラムの村井守です。ele-king の取材で、素材の集め方をこう話しています。

投げキッスの素材が、撮影したものとバンドのHPで募集して送ってもらったものを合わせると1400人分ぐらいあるのかな。編集がもう大変ですよ。使えるのはひとり0.5秒とか1秒とかですけど、それぞれ素材は3分ぐらいあって、その中のいちばんキラキラしている部分をチョイスするわけですからね。

最終的に入れたのが1283人です。取材は2013年12月27日で、村井はこの時点でもまだ編集を続けていました。

長澤まさみのカットは村井ではなく、峯田和伸が自分でカメラを回して撮っています。宮藤官九郎との対談で、撮影場所は下北沢の本多劇場だったと答え、そのあとのことも話しています。

で、そこから帰り下北にYellow Popってありますよね。レコード屋。あそこにすぐさま走ってレコードを2枚買ったの。

買ったのは Culture のレゲエのレコードと、フォーク歌手の斉藤哲夫のレコードでした。60歳になっても70歳になっても、その2枚を見ればこれを買う20分前に長澤まさみといたと思い出せる、と峯田は続けています。

抜けると決めたあとの編集

アルバムは4人で作り始めましたが、出るまでにメンバーが次々に離れています。ギターのチン中村は2012年の夏、ベースの安孫子真哉は2013年の春にバンドを離れ、2人の脱退は2013年11月15日に公式サイトで発表されました。

村井は、アルバムのマスタリングが終わったところで辞めようと決め、1か月半ほど悩んだと話しています。

“ぽあだむ”のミュージック・ヴィデオの撮影もあったりしながら、1ヵ月半ぐらい考えて、でもやっぱり気持ちは変わらなかったので、11月4日に峯田に「バンドを抜けたい」ってメールしたんです。

脱退の発表は2013年12月22日の Ustream の生放送で、アルバムが出た2014年1月15日付けでバンドを離れています。辞めると決めたあとも、村井はこの映像の編集を続けていました。2014年2月、新宿バルト9での上映会で、峯田は「こっちは村井くんが主導で作ったから……村井くん!」と舞台袖に声をかけ、発表されていなかった村井がステージに出てきています。

3日ほどでできた曲

アルバム『光のなかに立っていてね』は、前作から9年ぶりのアルバムです。作詞・作曲・編曲はすべて峯田和伸で、オリコンのアルバムチャートでは最高2位でした。

そのなかで「ぽあだむ」は、早く仕上がった曲です。村井は「“ぽあだむ”は3日間ぐらいでできましたね」と話し、ドラムは自分が生で叩いたと言っています。峯田は別のインタビューで、2011年の東北ツアーがよかったことを挙げて、こう話しています。

勢いで、“ぽあだむ”って曲は一発で録れたし。まぁ、そのときも、「もうちょっと」って思ってたら、そこからさらに2年かかったんだけど。

曲の出発点について、峯田は宮藤官九郎に、19歳のころに作った「BABY BABY」のような曲をまた作りたかった、と答えています。

女の子を思って歌う、単純ではっきりした色合いの曲。コードがいっぱいある、ああいうわかりやすいやつをひさしぶりにやりたくて。

題の「ぽあだむ」が何を指すのかは、峯田と村井のインタビュー、宮藤官九郎との対談を見た範囲では説明されていません。オリコンに載っている歌詞の本文にも、この言葉は出てきません。

そのあとの「ぽあだむ」

CD シングルとしては出ていません。2016年4月のシングル「生きたい」の2曲目に、クボタタケシのリミックス「ぽあだむ クボタタケシ REMIX Version II」が入りました。公式サイトの紹介によると、クボタタケシがリミックスを手がけたのは12年ぶりです。

出典

レーベル
初恋妄℃学園
収録
光のなかに立っていてね(アルバム、9曲目、SKOOL-021)
発表
2014年1月15日
出典
https://youtu.be/wSIRyLtgXSY

記事一覧へ戻る