Creatures
drumcorps
説明文が一文だけ置かれています。
Some tunes for the creatures of Earth, so we may break this infernal machine, and create a kinder thing from its recycled parts.
地上の生き物たちのための数曲。この地獄のような機械を壊して、その部品からもっと優しいものを作るために。
壊す音で、優しいものを作る
引用した一文に、この一枚の全部が入っています。壊すことと、その部品で優しいものを作ることが、同じ文に並んでいる。
音のほうもそうなっています。ハードコア・パンク、グリッチの電子音、ノイズ。ダウンチューニングしたギターとチップチューンが同居して、全体はドゥーミーに沈む。壊れた音の素材を集めて組み直す作りで、文の内容と工程が一致している。
drumcorps はアーロン・スペクター。マサチューセッツ出身で、いまはアムステルダムにいます。音楽、アートワーク、ミキシング、マスタリングすべて本人。ボーカルとギターの録音だけ Green Studios Amsterdam。
7曲、22分たらず
- Antebellum — 2分11秒
- Creatures — 2分16秒
- Style Transfer — 2分58秒
- Fungus! — 1分55秒
- Cut & Grow — 3分38秒
- Definitely, Fire — 50秒
- 1bit — 6分00秒
曲名の並びが効いています。Style Transfer は機械学習の用語、1bit は解像度の最小単位。Fungus!(菌類)と Cut & Grow(切って育てる)は生き物の側の語。機械の語彙と生物の語彙が交互に来る。 説明文の「機械を壊して、優しいものを作る」がそのまま目次になっている。
長さの配り方も極端です。6曲目が50秒で、最後の「1bit」だけ6分。50秒で言い切ったあと、いちばん解像度の低い題の曲を最長にして閉じる。1ビットは音として最も粗い状態です。粗さを削るのではなく、粗さに時間をかけて終わる。
タグは electronic、hardcore punk、neocrust、noise、Amsterdam。
こんな時、聴きたいかも(個人的にね)
着火用です。燃やし続けるのには向いていない。始める踏ん切りがつかない時に22分かけると、聴き終わる頃には諦めて手が動いています。
出典
- Bandcamp — Creatures / drumcorps(2022年10月7日リリース・全7曲と収録時間・説明文の全文・アーロン・スペクターという本名とマサチューセッツ出身でアムステルダム在住であること・音楽とアートワーク、ミキシング、マスタリングのクレジット・ボーカルとギターの録音スタジオ・ハードコアパンクとグリッチ、ノイズを混ぜた作りという説明・タグ)
- 出自
- マサチューセッツ出身/アムステルダム在住
- 収録
- Creatures
- 発表
- 2022年10月7日
- 出典
- https://drumcorps.bandcamp.com/album/creatures