Glücklich in Blau
Dima Braune
「青の中で幸せ」。ウィーンの人のソロ・デビュー作で、全12曲がドイツ語で歌われています。
ねじれたシャンソニエ
Dima Braune はウィーンのインディー・バンド Grant の元ソングライター。この一枚が初めてのソロ作です。
自身を「ねじれたシャンソニエ」と位置づけて、破壊の美学を祝う作品だと説明しています。手法として挙げられているのはコラージュとカット・アップ。痛々しく正直で、飾りを徹底して省き、それでいて不思議に慰めがある——そういう評され方をしている一枚です。
タグの並びが出自を語っています。art pop、neue deutsche welle(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)、nndw、austropop、そして neues wiener lied。80年代前後のドイツ語圏のニューウェーブと、ウィーンの歌の伝統。その両方に足をかけている。
曲名がすでに批評になっている
歌詞がわからなくても、曲名の並びを追うだけで何を扱っているかがかなり伝わります。
- Das, was ich nicht hab(自分が持っていないもの)
- Swarowskisteine im Asphalt(アスファルトの中のスワロフスキー)
- Language is a Virus from outtaspace
- Kulturadel(文化貴族)
- Du bist schuld(お前のせいだ)
- Nichts Schönes sehen(美しいものを何も見ない)
- Zahl den Doktor(医者に払え)
- Safespace
「アスファルトの中のスワロフスキー」がとくにいい題だと思います。ウィーンという街と、そこに落ちている安っぽい輝きを一語にまとめている。Kulturadel、文化貴族という造語のあたりも、標的がはっきりしている。
12曲の長さは、1分39秒(Sieben)から4分17秒まで。カット・アップの手法だと言っているとおり、必要な長さで切って次に行く作りです。
参加している人たち
- Havarie(Benjamin Batlogg)— 1曲目、11曲目
- REISZNER(Julia Reissner)— 2曲目
- NEPS(Franz Hopfgartner)— 10曲目
作詞作曲はすべて Dima Braune。プロデュースとミックスは Patrick Tilg、録音は Feber Wolle records、マスタリングは Dino Spilutini。
同じ土地の人たちで固めて、外に開かない布陣です。ウィーンの歌の系譜に自分を置くと決めた作品なので、これは一貫しています。
こんな時、聴きたいかも(個人的にね)
帰りの電車で、意味のわからない歌として聴いたのがよかった。歌詞を調べたのは家に着いてからで、順番としてこちらが正しかった気がします。声の角度だけを先に受け取れる。
意味を知ってから聴き直すと、別の一枚になりました。二度おいしいという言い方は雑ですが、実際そうでした。
出典
- Bandcamp — Glücklich in Blau / Dima Braune(2026年4月24日リリース・全12曲と収録時間・ウィーン拠点・Grant の元ソングライターであること・「ねじれたシャンソニエ」という自己規定とコラージュ/カット・アップの手法・参加アーティスト・プロデュースとマスタリングのクレジット・Feber Wolle records・タグ)
- 出自
- ウィーン(オーストリア)
- レーベル
- Feber Wolle records
- 収録
- Glücklich in Blau
- 発表
- 2026年4月24日
- 出典
- https://dimabraune.bandcamp.com/album/gl-cklich-in-blau