Veilleuse 音楽の常夜灯

Romeo

Basement Jaxx

監督Andy Hutch

サリーが翻る。そこにハウスのキックが入ってくる。2001年の曲で、いま見ても組み合わせの乱暴さが少しも古びていない。

誰が作っているのか

Basement Jaxx はフェリックス・バクストンとサイモン・ラトクリフの2人組。1994年、ロンドンのブリクストンで始まっています。自分たちで回していたクラブの名前が「Rooty」で、それをそのままセカンド・アルバムの題にした。「Romeo」はそのアルバムからの第1弾シングル、2001年6月4日リリースです。

歌っているのは2人ではありません。リードはケリ・ル・ロック、バックにコリーン・ドワイヤー。ハウスのプロデューサー・デュオが、歌える人を連れてきて前に立たせる。この分業がはっきりしているのが、この時期のダンスミュージックの作りです。

チャートはイギリスで6位。カナダ10位、ニュージーランドとノルウェーで9位、アメリカのダンス・クラブ・プレイで5位。ヨーロッパのクラブから出て、ちゃんとポップスの側まで届いた曲でした。

三つの土地が一曲に入っている

土台になっているのは Cloud One の「Don't Let My Rainbow Pass Me By」、1981年のディスコです。ニューヨークのディスコをロンドンのハウスが引き受けている。

そして映像がインドへ行く。監督はアンディ・ハッチ。主演はボリウッド女優のディヴィヤ・ダッター。サリーを着た彼女を軸に複数の男との話が進んでいく構成で、1960〜70年代のインド映画へのトリビュートとして作られています。伝統的な踊りからポップな振りまで、ひと続きに混ざる。

つまり、ニューヨークのディスコと、ロンドンのハウスと、インドの映画が一曲の中に同居している。2001年にこれをやって、しかもチャートで6位まで行った。当時のダンスミュージックの度量がわかります。

借り物なのに軽くならない

引用の数だけ並べると、悪ければ観光になります。この曲がそうならないのは、借りたものを全部同じ強さで鳴らしているからだと思います。ディスコのサンプルを飾りにせず、インドの映像をエキゾチシズムの見世物にせず、どれも主役の位置に置いている。

ケリ・ル・ロックの歌い方も効いています。ダンストラックの上でよくある、ひたすら煽る歌ではない。言い聞かせるような、少し呆れたような距離で歌っていて、それが浮かれた音の中心に芯を作っています。

こんな時、聴きたいかも(個人的にね)

音量を上げられるかどうかで決まりました。薄い音で鳴らすと、せっかく積んであるものが減る。

出かける支度をしている時間に、上げられるだけ上げて。曲のほうが先に出来上がっているので、こちらが追いつく感じになります。

出典

出自
ロンドン・ブリクストン
レーベル
XL Recordings
収録
Rooty
発表
2001年6月4日
出典
https://youtu.be/x2wUbgAAydY

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