Veilleuse 音楽の常夜灯

Komorebi LP

Toshiki Soejima

「木漏れ日」。日本語のこの一語を、そのままローマ字でアルバムの題にしています。葉のあいだを通ってくる光の描写、という説明が添えられていました。

日本語の一語を軸に置く

Toshiki Soejima は日本のネオソウル系ギタリストで、Stereofox Records からの2作目にあたるようです。深く個人的で、かつ共作的なアルバム、と紹介されています。

「木漏れ日」を軸にしたのは、うまい選択だと思います。この語は英語に一語で訳せません。だから海外のレーベルから出す作品の題にすると、説明が必要になる。その説明の手間が、そのまま音楽の説明を兼ねている。直接当たらない光、間に何かを通ってきた光。 ギターの音色の話としても、そのまま通ります。

タグにも Berlin が入っていて、レーベルの側はドイツ。日本語の題で、ベルリンのレーベルから、参加者は各国。この配置が作品の性格をよく表しています。

参加者が国をまたいでいる

  1. Life is Better2分27秒
  2. Good Thing (ft Carrie Baxter, edbl)3分31秒
  3. Edge3分06秒
  4. Northern Drift (ft Matt Wilde, edbl)2分33秒
  5. Mirage (ft Mad Keys)2分07秒
  6. Resonance (ft Takuya Kuroda, edbl)3分28秒
  7. Shine (ft Temsu Clover)3分12秒
  8. Somewhere (ft Chill The World)3分00秒
  9. Escape2分44秒
  10. Missing1分24秒

10曲中7曲にゲストがいて、edbl が3曲に入っています。Carrie Baxter、Matt Wilde、Mad Keys、Takuya Kuroda、Temsu Clover、Chill The World。

全10曲で27分ほど。 1曲平均2分43秒で、最短は1分24秒。ジャズ・フュージョンやネオソウルは、演奏を聴かせるために長さを使うことの多い分野です。ソロの回し合いに時間を割く。

それをしていません。ゲストを7曲に呼んでおいて、1曲を3分前後で切り上げる。つまり呼んだ人に長く弾かせるための共作ではない。曲として必要な分だけ人を入れて、終わる。

これは「chill beats」「jazz beats」というタグの側の作法です。技を見せる音楽ではなく、流し続けられる音楽として設計されている。ギタリストの作品でこの禁欲をやるのは、けっこう勇気がいると思います。

木漏れ日の作り方

間接的な光を音にするなら、正面から鳴らすわけにいきません。

ゲストを多く入れているのは、そのための仕掛けにも見えます。自分のギターを常に主役に据えず、人の声や鍵盤やトランペットを一度通してから出す。葉のあいだを通す、というのはそういう構造でもある。

タグの並びは jazz fusion、neo-soul、neo-soul instrumental、r&b、soul、chill beats、jazz beats、neo soul guitar。

こんな時、聴きたいかも(個人的にね)

朝いちばんに流したのがよかった。カーテンを開けたところで。27分なので、支度が終わるまでにちょうど1周する。

夜に聴くと、この明るさが少し余りました。題のとおり、光がある時間の音だと思います。

出典

  • BandcampKomorebi LP / Toshiki Soejima(2026年6月18日リリース・全10曲と収録時間・参加ゲスト・日本のネオソウル系ギタリストで Stereofox Records に戻ってきたという記載・「木漏れ日」=葉を通す光からの着想という説明・タグ)
レーベル
Stereofox Records
収録
Komorebi LP
発表
2026年6月18日
出典
https://wearestereofox.bandcamp.com/album/komorebi-lp

記事一覧へ戻る